このページでは、患者さんご自身が
審美セラミック治療を成功させるために、
理解しておく必要がある事項を
ご紹介させて頂いております。
歯科医院選びは慎重に・・・・。
審美セラミック治療とは、皆様がご存知の通り、白い詰め物や、かぶせ物を利用して美しい歯を手に入れる治療です。しかし、我々、専門家からの視点での審美セラミック治療は下記のようなものとなります。
「歯本来の機能を回復させ、綺麗な歯にする」ことが審美セラミック治療。
患者様にとっては「美しさ」だけが達成されれば他はどうでもいいと思われている方もいらっしゃいますが、それは非常に危険な考えです。場合によっては、食べ物をしっかり咬むことができなくなったり、不定愁訴と呼ばれる原因のわからない「頭痛」「腰痛」などを引き起こすこともあります。
治療の大前提として、歯本来の「機能性」を回復・維持することに主眼を置き、その上で「審美性」を追求することが大切です。
審美性だけを追求すると中長期的に問題が生じてしまいます。
下記の症例は他院で治療し、数年経過後に機能性だけでなく審美性にも問題が生じてしまった症例です(他院で失敗した症例を当院で回復させた症例はこちらをご参照ください)。
お口の健康を害すると体にも影響が出てきてしまいますので、治療を受ける患者さんもある程度の知識を付ける必要があります。
何度も申しますが、「美しさ」と「機能性」の追求こそが本来あるべき審美セラミック治療です。
審美セラミック治療で失敗しないために①-「機能性」の追求
「機能性の追求」とはなんでしょうか。
これは、人間が本来持っている「咬む」「しゃべる」という口の機能を維持、または回復させ、「長期的に機能」する歯を作ることを指します。
審美セラミック治療を行っている医院さんには2通りの傾向があります。
傾向1「機能性」と「審美性」の両立を追求する医院
傾向2「審美性」のみを追求する医院
「機能性」と「審美性」の両方を追求する医院の特徴
特徴1歯の「神経」を可能な限り残す
「審美セラミック治療=神経を抜いても構わない」と短絡的に治療を進めてしまいがちです。
しかし、それは最終手段だと当院では考えます。
歯の神経を抜くとどのようなデメリットがあるかご存知でしょうか。
歯の神経は歯に栄養を与える役割がありますので、神経を抜くことで歯には栄養がいかなくなり、歯がもろく欠けやすくなってしまいます。
それだけではなく、細菌への抵抗力も下がり、虫歯が進行しやすくなり、抜歯への道を辿ることになってしまいます。
つまり、神経を抜くことで、歯の寿命が縮まってしまうのです。それだけ歯の神経は大事な存在だといえます。
せっかく高額な治療費を払って歯を白くしたにも関わらず、虫歯になり歯を抜くようなことになってしまっては、後悔しても後悔しきれません。
歯の神経を残す手段を考え抜いた上で審美セラミック治療を行ってくれる歯科医院で治療を受けるべきと考えます。
特徴2歯周病へのアプローチ
歯周病になると歯茎が腫れてしまいます。かぶせ物を作成するための工程で「印象(型取り)」というものがあるのですが、そのような状態で行ってしまうと正確な印象(型取り)は取れません。そうなると、お口に合わないかぶせ物が出来上がります。
お口に合わないということは、かぶせものと天然歯の間に隙間が生じてしまっている状態ですので、そこから虫歯菌が侵入し、最終的には治療した歯の再治療、もしくは抜歯となってしまうこともあります。
審美セラミック治療の前に歯周病治療を実施すると、治療が終了するまでの期間が伸びてしまいます。患者さんのニーズとしては、「1日も早く綺麗な歯を手に入れたい!」というものがありますので、歯科医院側から「まずは歯周病治療から開始します」と伝えられた時、「時間がかかってしまうのであれば、すぐにやってくれる医院を探そうかな・・・」と思われるのが本心かと思います。
もちろん、すぐに対応してくれる医院さんは存在します。そして短期的には審美性を回復できます。しかし、中期的には問題が生じてきます。
問題が生じることを承知の上で治療を受けることに関しては、私は何も言いません。
しかし、「審美性」も「身体の健康」も長期的に維持させたいとお考えの方は、「しっかり歯周病の処置をしてくれるか否か」を念頭に置いて、受診先を選んでください。
特徴3咬み合わせ」を考慮しない治療
審美歯科治療を行うことで、「頭痛」「眩暈」「腰痛」「肩こり」が起こることが稀にあります。これは治療により「咬み合わせ」がおかしくなったことに起因する場合があります。
治療により体の健康が侵されてしまっては、何のための治療だったのかと首をかしげたくなりますが、歯周病治療と同様、「適切な咬み合わせを診断する」という工程を省いてしまったり、無視してしまうと、のちのち大変なことになりますので、咬み合わせを含めた治療を行っている医院に受診されることを強くお勧めします。
当院では、「咬合器」「フェイスボウ」「チェックバイト」といった工程により、患者様1人1人に合った咬み合わせを診断し、治療に反映させています。
審美セラミック治療で失敗しないために②-「歯周組織」安定の大切さ
歯周組織とは、簡単に言ってしまうと歯肉部分のことを言います。
歯の治療なのに、「なぜ歯肉がでてくるの?」と疑問に思われるかもしれません。
下の画像をご覧ください。
価格は約8.8万円(税込)。歯肉を切除、移植する方法。リスクとして痛みが出る場合がある。
左の画像が治療前の画像で歯肉のバランスが悪く、右の画像が治療後の画像で歯肉のラインを整えた症例です。
いかがでしょう。
右の画像の方が歯肉のバランスが取れ綺麗に見えると思います。
FGG(遊離歯肉移植術)、CTG(結合組織移植術)などの「歯肉移植術」を施すことで歯肉のラインをきれいに整えます。
口元の美しさは、「歯の色・形」だけではなく、「歯肉のバランス」も重要な要素となるのです。
歯肉移植術は歯科医師であれば誰でもできるものではありません。できる→行うとか
知識と経験そしてセンスが非常に要求される術式です。
この術式ができないドクターは、「歯の色・形」だけ改善し、歯肉にはタッチしません。
当院では「歯の色・形」だけでなく、「歯肉のバランス」も考慮した治療を行います。
審美セラミック治療で失敗しないために③-「自然美」とは・・・?
下の画像をご覧ください。
あなたが求める歯はどちらですか?
「左」の画像を選択された方。
もしこの歯をお口に入れた場合、次のような口元になります。
「右」の画像を選択された方。
この歯をお口に入れた場合、次のような口元になります。
第三者から見た場合、どちらの方が美しく見えると思いますか?
人それぞれ「感性」が異なりますので一概には言えませんが、多くの方が「右」の画像を選択すると思います。なぜでしょうか?
これは口元全体の色の「バランス」が関係しています。もっと具体的にお伝えしますと、「いかに自然な口元であるかどうか」です。
その他、当院では次の事も考慮します。肌の色、性別、年齢、顔貌、唇、歯茎など。これら全てを総合的に分析し、適切に表現することで、初めて「あなたらしい」自然な美しさが生まれます。
つまり、歯以外の美の要素をまずは把握し、
それに調和する歯はどのような色なのか、どのような形なのかを考えていくことが重要になるのです。
そのため、真っ白な歯よりも、少し黄ばみを入れた方が自然な美しさに仕上がることもありますし、1本だけの治療の場合、他の歯との色合いや形のバランスを取った方がいいこともあります。
価格は約13.2万円(税込)。リスクとして、歯を削る必要があるため、歯の寿命が短くする必要がある。
もちろん、最終的には患者様の希望に沿いたいと思っております。
雑誌を持ってきていただき「このモデルさんのような歯にしたい」とお伝え頂ければ可能な限りその通りに色と形を再現いたします。
しかし、ここでお話しした「あなたらしい自然な美しさ(自然美)」というものが存在していることをご理解頂けたらと思っております。